物を作る人は何かしら自分なりの美学があると思います。
作る手の美学とお客様の理想・好みが合致した時にご依頼が成立するのだと思います。
美学というのは作り手が見て美しいなぁ、そういう物を極めていきたいなぁ〜という道だと考えます。もちろん終点はありません。
私の美学は「欠損」「欠落」にあります。
左右対称、シンメトリーは綺麗だと思いますが美しいとは思わないし、ピシッと作られたブロック塀もピカピカに作られたコンクリートも綺麗だとは思いますが、美しいとは思わない。
真四角なタイルやピシッとしたレンガなども綺麗だとは思いますが美しいとは思わない。
心が動かないというか、何か心を揺さぶるものが無い。
良い悪いの話ではないんですよ^_^
もちろんそれが美しいと思う人もいますから。
私は完璧なものより、欠けてたり、不揃いだったり、割れてたり、凸凹だったり、曲がってたり、そういう「欠損」の美学があります。
だからガーデナーをやっているのだろうな、とも思います。
ガーデナーの基本的精神は
「神は自然界に直線を作らなかった」
英国王立園芸協会でガーデン、ガル・エデンのレクチャーを受けましたが、すべてはこれが庭づくりの基本になっています。
綺麗に塗られた柵より、色が剥げかけた柵
綺麗なレンガより欠けたレンガ
新品より風化・劣化
直線より曲線
平面より曲面
チリ一つ無い庭より落ち葉がある庭
少しのひび割れ
レンガについた苔
乱れたレンガワーク
朽ちた枕木
咲いている花があり枯れた植物もあり
排水良好より少しの水溜り
欠けたり割れたりした鉢
錆びたスコップ
雑然としたものの中に美しさを感じますね。
と、久しぶりに語りました。
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