コンクリートのひび割れが気になる

「施工して頂いた土間コンクリートにひび割れがうっすら入ったんですが、大丈夫ですか?」

と、施工して半年くらいしてお客様からお電話を頂くことがあります。

 

もちろん状況を見るために現地へ伺います。

が、そのほとんどが問題の無い「ひび割れ」なんです。

え?問題の無いひび割れってあるの?と思われる方が多いと思いますが・・・

それは「コンクリートが強い素材で絶対にひび割れないもの」だと思われているからでしょうね。

 

もちろん40年前はそう思われていました。

コンクリートは「永久材料」と呼ばれていましたからね。だから新幹線の橋脚などでコンクリートをじゃんじゃん使ったんですよ。

橋脚はその中に鉄筋が沢山組んでありひび割れないように作ってありますが、それでも日々は入りました。その補強でJRが必死になって鉄板を巻いたりしていますよね。

 

そうなんです。

コンクリートはどうしても「ひび割れ」が入る材料なんです。

これは「砂、石、セメント、水、混和剤」で構成されている関係から暑いときは「膨張」しますし、寒い時は「収縮」します。

固まったものが膨張、収縮を繰り返しますとどうなりますか?

そうです。どこか弱い部分にひび割れが入ります。

髪の毛のように細いひび割れ「ヘアークラック」と呼びますが、これはコンクリートならどうしても入る現象なんです。

このひび割れが入ったから施工の手を抜いているとかそういう問題ではなくて、素材の性質の問題なんですよ。当然、品質に問題はありません。

お伺いした時にとりあえず補修はして帰りますが、しなくても特に問題は無いひび割れです。

 

しかし、ひび割れの幅が5mmとか1cmとかになっている場合はコンクリートの施工ではなくその土地の地盤の問題が考えられますので調査の必要がありますね。

 

では、ひび割れないコンクリートってあるの?ですが。

これは橋の工事などで使います「無収縮モルタル」ですね。

読んだままの性質を持っていますので収縮しません。強度もありますから絶対にひび割れないモルタルです。

しかし高価なため住宅で使用することはまず無いですね。公共事業などで登場する素材であります。

私は元々、国土交通省の国家資格一級土木施工管理技士でコンクリート工学が専門ですので異常に詳しいガーデナーなのです(笑